本記事の信憑性
- 筆者は現役の大手企業の新卒採用責任者
- 3年間で1,000名を超える学生との面談・面接を経験
- 専門は新卒採用戦略企画(2,000名参加の企業向けフォーラムで採用戦略が紹介される)
就職活動で必須となる企業研究。
しかし、どんな項目をすれば良いのか、よくわからないですよね。
そこで、本記事では現役面接官の筆者が企業研究でみるべき項目を解説します。
本記事を最後まで読めば、企業研究で確認すべき8つの項目と確認方法について理解できるようになります。
企業研究の目的は?
企業研究をする際は明確な目的を持ち、その目的達成に必要な情報のみを深めるべきです。
というのも、企業活動は想像より遥かに広く深いからです。
そのため、複数社を学生が抜け漏れなく研究することは現実的ではありません。
そこで、就職活動では以下の2つの目的に絞って企業研究するべきです。
企業研究の目的
- 入社すべき企業か確認するため
- 選考を突破するため
企業研究の目的① 入社すべき企業か確認するため
企業研究の1つ目の目的は、あなたが入社するに値する企業か確認するためです。
何を大事に働きたいのか?それを満たすことができる企業なのか?検討するために企業研究を行います。
企業研究もろくにせずに入社できたとしても「こんなはずじゃなかった」未来が待ち受けている可能性が高いです。
将来的に後悔しないためにも企業研究はやっておいて損はないです。
企業研究の目的② 選考を突破するため
企業研究の2つ目の目的は、志望動機を明確にして選考突破率を上げることです。
企業はミスマッチを防ぐため、内定承諾率を確認するために志望動機を確認します。
ここで言う志望動機とは、「あなたの期待に、企業がどのように満たせているのか」を説明することと定義できます。
そのため、明確な志望動機を練るためには企業研究が必須です。
企業研究を深めて「あなたの期待を企業がどのように満たせているのか」を具体的に説明することができれば、ミスマッチが少ない志望動機として高く評価されることでしょう。
企業研究では見るべき項目(8種類)
就職活動における企業研究で確認しておきたい項目は8つです。
企業研究で確認するべき項目
- 理念
- ビジョン
- 事業
- 業務
- 風土
- 人材
- 制度
- 待遇
それぞれの項目についてどのような着眼点で研究すればよいのか、具体的に紹介します。
①理念
企業理念はその企業の「存在意義」であり、最も根源的な要素です。
後ほど紹介する他の7つの項目はすべて、企業理念を実現するためにあります。
同じ業界で同じような事業を手掛けている会社であっても理念が違えば、事業の優先順位や風土が異なってきます。
恐らく入社したての頃は企業理念を感じることは少ないと思います。
しかし、長く働けば働く程、企業理念の重要度が身に沁みて理解できるようになります。
理念を見るポイント
- 理念に共感できるか?
- 理念が社員に浸透しているか?
- 理念に社会的意義を感じるか?
②ビジョン
ビジョンはその企業が5年後・10年後にどのような企業になりたいかを表しています。
企業理念と少し似ていますが、理念と比べるとビジョンはより実務的で短期的な項目です。
そのため、企業が掲げるビジョンを確認することで、「何を目標に仕事に取り組むことになるのか」が分かります。
裏を返せば、ビジョンに納得できないと、就職後も納得できない目標に向かって仕事し続けるはめになるので要注意です。
ビジョンを見るポイント
- ビジョンに納得できるか?
- 社員が同じ目標を持っているか?
- ビジョンに将来性を感じるか?
③事業
事業とはその企業の主要商品・サービスを表しています。
単一事業だけを扱う企業は少なく、特に大企業では扱っている事業は多岐に渡ります。
入社後にあなたがどのような商品・サービスを扱うことになるのか理解するためにも、事業についての企業研究は必須です。
そのため、企業説明会で語られる花形事業だけでなくその他の事業にも目を向けるようにしましょう。
事業・業務を見るポイント
- 事業は市場でどのポジションにあるか?
- 事業に将来性や強みがあるか?
- 事業に社会的意義・影響力があるか?
④業務
業務とは、就職後にあなたが取り組む仕事内容です。
どのような経験を積むことができるのかは業務内容次第と言っても過言ではありません。
仕事のやりがいや得られるスキルは、業務内容に大きく左右されます。
そのため、自己実現や将来的なキャリアアップを念頭に置いて就職活動している人は、業務内容をしっかりと理解しておく必要があります。
業務を見るポイント
- 業務にやりがいを感じるか?
- 業務で得られるスキルは何か?
- どんな業界・企業・人と関われるか?
⑤風土
風土とはその企業に根付く文化です。
部活動やサークルにように、その企業独自の文化や慣習が存在するものです。
風土にマッチすれば、日々ストレスを感じずに楽しく働ける可能性が高くなります。
反面、風土にマッチしないとあなたの価値観や判断基準が通用せず、働いていて非常に辛いものがあります。
そのため、可能であれば職場見学・HP・SNSから企業風土を情報収集するように努めて頂きたいです。
風土を見るポイント
- 風土が自分に合うか?
- 風土は魅力的か?
- 風土に柔軟性があるか?
⑥人材
人材とは、就職後に一緒に働く上司・先輩・同期を指しています。
座談会やOB訪問でお話する社員のレベル感は将来のあなたのレベル感と考えて良いでしょう。
また、将来的に一緒に働くことになる人達ですので、尊敬できるか?親しみを感じるか等も重要になってきます。
できるだけ多くの社員と話して、どのような人材が在籍しているか確認しておきましょう。
人材を見るポイント
- 人材が自分に合うか?
- 人材に魅力的(憧れ・親しみ)か?
- 人材に多様性はあるか?
⑦制度
制度とは評価制度・休暇制度などを指しています。
この制度が上手く機能していない企業こそが所謂ブラック企業と呼ばれることが多いです。
仕事をしても評価されない、休日出勤しても代休が取れない、休暇が少ないなど、長く働く上では致命的なデメリットにもなり得る項目なので慎重に確認しておきたいです。
制度を見るポイント
- 制度に納得できるか?
- 制度は上手く機能しているか?
- 制度に公平性があるか?
⑧待遇
待遇とは給与と福利厚生を指しています。
給与や福利厚生を重視して就職活動を行っている就活生も多いのではないでしょうか?
給与や福利厚生が満足ゆくものであれば、多少しんどい仕事も耐えられるものです。
また、将来的な生活水準にも直結する項目であるため、四季報やOpenWorkなどを活用して確認しましょう。
待遇を見るポイント
- 待遇に満足できるか?
- 待遇は同業他社より優れているか?
- 待遇は業務量と見合っているか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
企業研究で見るべき項目について、現役面接官の目線で紹介しました。
企業研究で見るべき項目は以下の8種類です。
企業研究で確認するべき項目
- 理念
- ビジョン
- 事業
- 業務
- 風土
- 人材
- 制度
- 待遇
あなたの就職活動の軸によって重視する項目は変化しますが、一先ずこの8種類を抑えておくことで網羅できていると考えて良いでしょう。
以上、最後まで読んでありがとうございました。