就職活動においてES(エントリーシート)を課す企業は非常に多いです。
そのなかでもガクチカ(学生時代に力を注いだこと)は頻出テーマになっています。
つまり、ガクチカをESで魅力的に伝えることができれば、多くの企業の選考において足切りされる心配はなくなります。
しかし、以下のような悩みを抱えている方も多くいるかと思います。


そこで、本記事では現役採用担当の観点で、200字以内でガクチカを書くコツを解説します。
本記事を読めば、たった200字で採用担当の目を惹く魅力的なガクチカを書けるようになります。
最後まで読んでみて下さい。
本記事の信憑性
- 筆者は現役の大手企業の新卒採用責任者
- 3年間で1,000名を超える学生との面談・面接を経験
- 専門は新卒採用戦略企画(2,000名参加の企業向けフォーラムで採用戦略が紹介される)
ガクチカを400字でまとめるポイントは以下の記事に詳しくまとめてます。
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参考400字のガクチカで受かるESを書くコツ(現役採用担当が解説)
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目次
そもそもガクチカになり得る経験

面接官はガクチカを通して「人柄」や「能力」を確認しています。
新卒採用では学生に特別なスキル・知識を求めていません。
新卒採用では職場にフィットしそうか?仕事への適正がありそうか?という『ポテンシャル』を重視しているのです。
ガクチカを通して確認している『ポテンシャル』とはズバリ以下の3点になります。
面接官が注目している点
- モチベーションが高まる要因
- どの程度の熱量を持っているか
- 仕事でも再現性があるのか

①モチベーションが高まる要因
面接官はガクチカを通して、どんなキッカケでモチベーションが高まる人なのか確認しています。
特にあなたのガクチカと仕事内容を照らし合わせて、仕事でも同じようにモチベーションが上がりそうか確認しています。
そのため、あなたが志望する企業の仕事内容をイメージし、ガクチカと同じようにモチベーション高く取り組めることを伝える必要があります。

②どの程度の熱量を持っているか
面接官はあなたが仕事に対して、どの程度の熱量を注げるのかガクチカを通して評価しています。
自分の中では「頑張った」と言えることでも、他人から見ると大したことないと評価されてしまう可能性もあります。
あなたの努力量を証明するためにも、具体的な行動量や思考プロセスを伝えることを心がけましょう。

③仕事でも再現性があるのか
最後に、ガクチカで発揮されている人柄や能力が仕事において再現性があるか確認しています。
あなたが発揮した人柄や能力がエピソードの中だけでなく、職場でも発揮されるのか面接官は注目しています。
そのため、学生ノリだけで解決できないある程度難易度の高いガクチカを用いた方がベターだと言えます。

ガクチカを200字以内で書く3STEP

では、ここからはガクチカを200字以内で魅力的に書くコツを解説します。
前章の通り、ガクチカに選ぶエピソードは以下の3点を満たすものにして下さい。
ガクチカにすべきエピソード
- モチベーションが上がった理由が明確
- 熱量高く取り組んだ
- 仕事で活かせる能力が発揮された
その上で、以下の3STEPを参考にすると抜け漏れない魅力的なガクチカが書けます。
200字以内でガクチカを書くコツ
STEP1 アピールしたい軸を絞る
STEP2 初見の人でもわかる構成で書く
STEP3 不要な要素を削る
ここからは、各STEPについての詳細を解説します。
STEP①アピールしたい軸を絞る
まずは、何をアピールするためのガクチカなのか明確に決め切ることが大切です。
アピールしたいことが盛り沢山で分かり辛いESや、エピソードだけで何をアピールしたいのか分からないESは非常に多いです。
「どういう人柄で、どんな能力を有しているのか」一目見てわかるESを目指しましょう。

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STEP②初見の人でもわかる構成で書く
ガクチカの構成を考える際は「STARの観点」というフレームワークを活用すると初めて話を聞く人にも分かりやすく、コンパクトに伝えることができます。
ガクチカの構成方法(STARの観点)
以下の4つの要素の頭文字をとった、エピソード構成のフレームワークです。
・Situation=状況
その時の状況や背景について簡単に説明します。
・Task=課題・問題
具体的な課題や条件をについて説明します。
・Action=行動
課題解決にあたって取った具体的な行動について説明します。
・Result=結果
取り組みの結果について、事実とあなた自身の振り返りを説明します。
STARの観点の更に詳しい解説は以下の記事を参考にして下さいね。
面接を突破できるガクチカのフレームワーク【現役面接官が伝授】

STEP③不要な要素を削る
最後にSTEP②で書き出したエピソードを200字以内で抑えるために、不要な要素を削除しましょう。
削除するポイントは後述しますが、200字で4〜5文、1文40〜50字を目安にして下さい。
1文40〜50字で納めるのは非常に難しいですが、後述の不要な要素を参考にすれば問題ありません。
200字以内のガクチカ例文

では、実際に200字以内でまとめたガクチカの例文を紹介します。
ここでは、「字数制限なしのガクチカ」と「200字以内のガクチカ」を比較してみたいと思います。
字数制限なしのガクチカ例文
まずは字数制限を気にせず書いたガクチカの例文をご紹介します。
例文(字数制限なし)
私が学生時代に最も力を入れたのは勤めていた塾の運営方法を変えたことです。具体的には講師間で生徒の勉強の進捗状況を共有でできる体制を構築したことです。
私が勤めている塾では1人の生徒に対して、曜日や教科によって複数人の講師が担当するシステムでした。しかし、講師間で生徒の状況を共有する機会がなかっため、毎回授業前に生徒から前回の授業の内容や宿題内容をヒアリングしてから授業に入るという状況でした。
そこで私は授業の質の向上・授業時間の有効活用を目的に「授業後に報告書を作成し、授業内容や生徒の理解度を報告しあう制度」を考案し、提案しました。
しかし、私が所属している塾の給与体系が授業のコマ数あたりで換算されていたため、他の講師から「サービス残業は嫌だ」と反対されました。
そこで私は塾長に掛け合い、報告書作成の時間に対して給与を支給してもらえるようにお願いしました。その際、現状の引継ぎがないことによるデメリット・生徒を複数の講師が情報を供しながら指導していくことのメリットを明快に説明するように心がけました。
その結果、報告書を作成する時間に対して給与を支給して頂けるようになりました。最終的には給与体系が変化したことにより、授業後の報告書作成は業務の一環として他の講師にも認められるようになりました。
今では、報告書のおかげで生徒の勉強の進捗状況が把握できるだけでなく、勉強へのモチベーション・悩み等も把握した上で授業に臨むことができるようになりました。
200字以内のガクチカ例文
続いて、ご紹介した200字以内のガクチカの書き方を実践した例文を見てみましょう。
例文(200字以内)
塾講師として教室運営の改革に最も力を注いだ。
当初、講師間で授業進捗を共有する機会がなく、授業品質が低下していた。
私はプロとして生徒への授業品質に拘っていたため、授業の品質低下にもどかしさを感じた。
そこで、授業後に報告書を作成する制度を提案した。
他講師から反対意見もあったが、塾との交渉・論理的な説得を重ねる、合意を得るに至った。
その結果、授業進捗状況の共有を果たし、授業の質の向上を実現できた。

200字以内のガクチカとしてESに書くべき要素

200字以内のガクチカといっても、魅力的なガクチカにするために盛り込むべき要素は存在します。
①アピール要素を明確にする
200字以内でガクチカを書く際は、アピール要素を「人柄」「強み」一つずつに絞ることが重要です。
あれもこれもアピールしようとすると、一つ一つの要素が薄くなってしまいます。
逆にエピソードだけを書くと、どんな人物像か全くわからないため、評価のしようがなくなります。
②感情を明確にする
ガクチカにあなたの感情を盛り込むことを心掛けましょう。
たった200字以内のガクチカで、人柄や能力面で他の就活生と差別化を図ることは至難の業です。
エピソードがありふれたものである場合、差別化の難易度は高まることでしょう。
その点、感情はオリジナリティが高く、同じエピソードであったとしても他の就活生との違いを表現しやすい要素なので、積極的に示すことをオススメします。
200字以内のガクチカとしてESに不要な要素

たった200字以内のガクチカでは、ESに書く必要の無い要素を最小限にしなければなりません。
①過剰な修飾語は不要
主語と述語の距離感に気をつけましょう。
ついつい、修飾語を盛りたくなってしまいますが、主述関係が不明確なESは読む気を削いでしまいます。
そのため、修飾語は必要最低限にすることが重要になります。
「誰が」「何を」「どうした」をベースに文を書くことを意識して下さい。
②です・ます調は不要
「です・ます」調は使わないようにしましょう。
「です・ます」調は、非常に文字数を圧迫することになり、アピールしたい内容を削ることにつながってしまいます。
「である」調のESに対して、採用担当が「失礼だ」等思うことはないので安心して下さい下さい。
ガクチカ完成後にやるべき2つのこと



ガクチカを作ったらやるべきコト
- スカウトサービスに登録してガクチカが通用するか試そう
- 面接官からの深堀り質問に備えよう

①スカウトサービスでガクチカが通用するか試す
選考を受ける前に、スカウトサービスを活用してガクチカが「企業に評価されるか」を確認することをオススメします。
ガクチカを完成させても、面接官に思い通りに評価されるか不安ですよね。
実際、『完璧なガクチカ』だと思っていても、企業視点では『いまいちだな・・・』と感じられることは多いです。
そこで、スカウトサービスにガクチカを登録しておいて企業担当者からスカウト貰えるか試すことをオススメします。
メモ
スカウトサービスとは、登録されたガクチカを見た企業の採用担当から特別選考のスカウトが送られるサービスです。
また、登録するガクチカは何度でも編集できるので、”どんなガクチカがウケるのか”を試行錯誤できるのも魅力的です。
なんと言っても、”数多くの企業の採用担当にガクチカを見てもらえる”というのは最大のメリットと言えるでしょう。
もし、スカウトを獲得できれば儲けモノ、獲得できなくても改善の余地があるということを選考前に発見できるのです。
ちなみにガクチカを試すのであれば、OfferBox
が一番オススメです。
OfferBoxがオススメな理由
【1】利用企業9,000社以上と国内最大級
【2】学生のオファー受信率 90%以上
【3】適性診断を無料で受けることが可能、その適性診断の結果をもとに、自己PRをさらに磨くことができます。

OfferBox以外のスカウトサービスも有用なので以下記事で紹介しておきますね。
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②深堀り質問に備える
ガクチカが完璧になったとしても、面接対策としてはまだ不十分です。
面接官からの深堀り質問に回答ができて、やっと面接対策が十分だと言えます。


詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
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まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事では200字以内でガクチカをESに書く方法を紹介しました。
200字以内という厳しい制限では、書けることは限られてしまいます。
そのため、アピール要素を絞って不要な記述を極限まで省略することが求められます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。