就職活動においてES(エントリーシート)を課す企業は非常に多いです。
そのなかでもガクチカ(学生時代に力を注いだこと)は最頻出テーマになっています。
つまり、ガクチカをESで魅力的に伝えることができれば、多くの企業の選考において有利になります。
しかし、以下のような悩みを抱えている方も多くいるかと思います。



そこで、本記事では採用担当目線で「400字のガクチカを魅力的に書くコツ」は勿論、「面接まで見据えたガクチカの書き方」まで紹介します。
最後まで読んでみて下さい。
本記事の信憑性
- 筆者は現役の大手企業の新卒採用責任者
- 3年間で1,000名を超える学生との面談・面接を経験
- 専門は新卒採用戦略企画(2,000名参加の企業向けフォーラムで採用戦略が紹介される)
ガクチカを200字で書くポイントについては以下の記事に詳しくまとめてます。
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参考200字のガクチカで受かるESを書くコツ(現役採用担当が解説)
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目次
400字のガクチカの最低限の3つのルール

400字のガクチカを書く際に、最低限守りたい条件を説明します。
ルール① 9割以上書こう
400字のガクチカが求められている場合、9割である360字は書くようにしましょう。
9割以下の文字数の場合、「やる気ない=志望度低い」と足切りされる可能性があるからです。
また、400字レベルであなたのことを知りたいという意図で設問準備しているはずなので、字数が少ないと「知りたいことが知れない」と判断されかねません。
ルール② 字数制限は厳守
当たり前ですが字数制限は厳守しましょう。
字数制限をオーバーしているガクチカは機械的に一律不合格とされる可能性があります。
ついつい筆が走って書きすぎることもあるかと思いますが、後述の文字数削減テクニックを駆使して400字以内に収めてください。
ルール③ 思考と行動を軸に書こう
ガクチカを書く際は「事実」を羅列するのではなく、あなたの思考と行動を中心に書いてください。
面接官がESを読む基準は「どんな人かわかる文章が否か」です。
まずはESを読んでもらうためにも、あなたが主語になるような思考・行動が中心のガクチカを書くよう意識しましょう。
400字のガクチカに盛り込むべき要素

突然ですが、ガクチカを書く際に必ず盛り込む要素は以下の通りです。
ガクチカの前提条件
- 動機
- 努力量
- 再現性
学生時代に頑張ったことをただ闇雲に伝えても、採用担当に全く評価されません。
新卒採用では学生に特別なスキル・知識ではなく、新卒採用では職場にフィットしそうか?仕事への適正がありそうか?という『ポテンシャル』を重視しているのです。
つまり、ガクチカとして伝えるエピソードには上記にあるような「ポテンシャルを感じる点」が反映されていることがマストになるのです。
①動機
採用担当はガクチカを通して、何に対して動機付けられる人なのか確認しています。
難しい問題に直面したときにモチベーションが上る人や、人に感謝されることにモチベーションが上がる人など、何に対してモチベーションが上がるのかは人によって様々です。
採用担当はガクチカを通して、あなたが何に動機付けられるのか、ガクチカを通して判断しています。
そして、自社の仕事内容に照らし合わせて、自社の仕事でも動機付けられそうか確認しています。
そのため、あなたが志望する企業の仕事内容をイメージし、ガクチカと同じようにモチベーション高く取り組めることを伝える必要があります。

②努力量
採用担当はあなたが一つの物事に対して、どの程度の熱量を注げるのかガクチカを通して評価しています。
表層的な課題をサラッと解決したことを「頑張った」と言う学生もいれば、根本的原因を洗い出して四苦八苦しながら徹底的に課題を解決した経験を「頑張った」と言う学生もいます。
そのため、自分の中では「頑張った」と言えることでも、後者のような学生と比べると大したことないと評価されてしまう可能性もあります。
つまり、ガクチカとして採用するエピソードはあなたが「心から頑張った」と言えるエピソードでなければならないのです。

③再現性
最後に、ガクチカで発揮されている人柄や能力が仕事において再現性があるか確認しています。
就職後、あなたは得意なことや好きなことだけでなく、苦手なことや嫌いなことに対しても、取り組まなければなりません。
残念ながら「好きなこと得意なことだけ頑張れます」では話にならないのです。
そのため、採用担当はガクチカを通して発揮された人柄や能力が、あなた自身にしっかり根付いていて様々なシチュエーションで発揮できるかどうかを確認しています。
つまり、ガクチカでは「壁を乗り越えたエピソード」を採用することが求められているのです。

400字のガクチカの構成方法

では、ここからは400字のガクチカの構成方法を解説します。
具体的には以下の3ステップでガクチカを書きましょう。
step
1アピールしたい能力を決定
step
2STARの観点でストーリーを構成
step
3過不足を添削
ここからは、各STEPについての詳細を解説します。
STEP①アピールしたい能力を決定
まずは、ガクチカでアピールする能力を決めましょう。
アピールしたいことが盛り沢山のガクチカや、何をアピールしたいのか分からないガクチカは評価されません。
「どんな能力を持つ学生なのか」一目見てわかるガクチカを目指しましょう。

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STEP②STARの観点でストーリーを構成
ガクチカの構成を考える際は「STARの観点」というフレームワークを活用すると初めて話を聞く人にも分かりやすく、コンパクトに伝えることができます。
ガクチカの構成方法(STARの観点)
以下の4つの要素の頭文字をとった、エピソード構成のフレームワークです。
・Situation=状況
その時の状況や背景について簡単に説明します。
・Task=課題・問題
具体的な課題や条件をについて説明します。
・Action=行動
課題解決にあたって取った具体的な行動について説明します。
・Result=結果
取り組みの結果について、事実とあなた自身の振り返りを説明します。
STARの観点の更に詳しい解説は以下の記事を参考にして下さいね。
面接を突破できるガクチカのフレームワーク【現役面接官が伝授】

STEP③過不足を添削
最後にSTEP2で書き出したエピソードを400字にまとめましょう。
過不足の添削を行う際は以下を基準にして下さい。
400字ガクチカにまとめるコツ
- 状況説明 2文
- 課題説明 2文
- 行動説明 4文
- 結果説明 2文
- 8〜10文程度
- 1文40〜50字程度
400字のガクチカ例文

では、上記で紹介テクニックを駆使したガクチカの例文を紹介します。
400字ガクチカ例文
例文
私は学生時代、ゼミ活動に最も力を注いだ。
中でも、私が所属するゼミが毎年参加していた大学対抗の疑似国連討論会に最も注力したと自負している。
私たちは「海洋プラスチック問題」をテーマに他大学と討論する予定であった。
この討論会を通して、いま世界で起こっている問題に対して机上の研究で留めずに当事者意識を持ちたいと考えるようになった。
そこで、私は海洋プラスチック問題に対する研究内容を勉強するだけでなく、「日常生活の中でどのような対策をすれば、プラスチックゴミを削減できるか」立案まで行った。
実際に大学構内で発生しているプラスチックゴミの種類をリストアップして、大学生活の中で実現できるプラスチックゴミの削減案を策定した。
その結果、疑似国連討論会では実現可能性の高い施策案を提案することができ、優勝に貢献することができた。
この経験から、強い当事者意識を持って課題に取り組むことの重要性を再認識した。
(394文字)
400字のガクチカを更に魅力的に書く3つのポイント

更に合格率を上げるための+αのテクニックを3つ紹介します。
あなたのガクチカに更に磨きをかけて下さい!
①目標-現状-課題を明確にする
ガクチカを書く際、「目標」「現状」「そのギャップ(=課題)」を明確にしておくと面接官のガクチカへの理解度がアップします。
「なぜそれが課題なの?」と理解できないガクチカだと、その後のあなたの思考や行動が評価されにくくなります。
ガクチカに説得力を持たせるためにも、目標・現状・課題はクリアにしておくことを心がけましょう。
②オリジナリティある言葉で強みを表現する
ガクチカで軸にする「強み」はオリジナリティある言葉で表現するようにしましょう。
以下の記事でも解説していますが、就活でよく使われているような表現は他の学生と被ってしまい、差別化しにくくなります。
【就活】面接官にささる自己PRの伝え方(現役採用担当が解説)
よく使われる抽象的な表現
傾聴力
責任感
統率力 など
上記のようなよく使われる抽象的な表現ではなく、複数の強みを掛け合わせたオリジナリティある具体的な強みとして表現することが大切です。
オリジナリティある具体的な表現
他人の声に耳を傾けながら意思決定ができるリーダシップ
③感情を盛り込む
ガクチカの中に感情を盛り込むことでより人柄が伝わりやすくなります。
特に何か意思決定した時、ロジカルな理由だけでなく、感情的な理由も併せて説明することをオススメします。
ロジカルな表現
集客施策として、ターゲットである若者の目に止まりやすいSNSを活用した。
感情がこもった表現
多くの人と相互に意見交換したいという思いから、若者の利用が多いSNSで集客した。

面接官からの質問を想定しよう

ESに記述したガクチカについて、ぼぼ100%面接でも質問されます。
そのため、ガクチカを書く際は面接まで想定しておくべきです。
以下で面接を見越したESの書き方を説明しますね。
①状況説明は丁寧に書く
面接でガクチカのシチュエーションについてグダグダと質問されないように状況記述は丁寧に書いておきましょう。
というのも、面接ではあなたの人柄や能力をアピールすることに時間をたっぷり使った方が良いからです。
何のアルバイトしてたの?何人が関わっていたの?あなたの役職は?といった質問に答えても評価は全く上がりません。
ガクチカを書く際は以下の情報をESに落とし込んでおいてください。
ESで書いておくべき状況説明
・アルバイト、サークル、ゼミ等の概要
・役職
・関わった人数
・時間軸
②質問して欲しい度合いによって記述量を調整する
もっともアピールしたい、質問して欲しい部分は出来るだけボリューム多めに記述した方が良いです。
あえて質問を誘うためにアピールしたいことの記述量を少なくする人もいますが、やめた方がいいです。
というのも、ESをちゃんと読んでいない面接官の場合、記述量が少ないと面接官の印象に残ってなくて質問してこない可能性が高いからです。
アピールしたい部分、質問して欲しい部分については記述量を増やして面接官に印象づけておきましょう。
400字のガクチカに記述しなくていいコト

これまで紹介したガクチカの書き方を実践すると、400字なんて楽勝で書けます。
逆に書きすぎて「どれを削ろうかな」と悩むと思います(笑)
そこで、400字のガクチカで省略した方が良い要素を紹介したいと思います。
①過剰な修飾語は不要
「圧倒的に」とか「難しいとされている」というような修飾語は字数制限に関わらず記述しない方が良いです。
そもそも「すごい」かどうかは面接官が判断することなので・・・
むしろ、修飾語をモリモリにしたせいで主語と述語が分かりにくいESは読む気を削ぐので注意しましょう。
②です・ます調は不要
「です・ます」調は使わなくて良いです。
「です・ます」調は、非常に文字数を圧迫することになり、アピールしたい内容を削ることにつながってしまいます。
「である」調のESに対して、採用担当が「失礼だ」等思うことはないので安心して下さい下さい。
ガクチカ完成後にやるべき2つのこと



ガクチカを作ったらやるべきコト
- スカウトサービスに登録してガクチカが通用するか試そう
- 面接官からの深堀り質問に備えよう

①スカウトサービスでガクチカが通用するか試す
選考を受ける前に、スカウトサービスを活用してガクチカが「企業に評価されるか」を確認することをオススメします。
ガクチカを完成させても、面接官に思い通りに評価されるか不安ですよね。
実際、『完璧なガクチカ』だと思っていても、企業視点では『いまいちだな・・・』と感じられることは多いです。
そこで、スカウトサービスにガクチカを登録しておいて企業担当者からスカウト貰えるか試すことをオススメします。
メモ
スカウトサービスとは、登録されたガクチカを見た企業の採用担当から特別選考のスカウトが送られるサービスです。
また、登録するガクチカは何度でも編集できるので、”どんなガクチカがウケるのか”を試行錯誤できるのも魅力的です。
なんと言っても、”数多くの企業の採用担当にガクチカを見てもらえる”というのは最大のメリットと言えるでしょう。
もし、スカウトを獲得できれば儲けモノ、獲得できなくても改善の余地があるということを選考前に発見できるのです。
ちなみにガクチカを試すのであれば、OfferBox
が一番オススメです。
OfferBoxがオススメな理由
【1】利用企業9,000社以上と国内最大級
【2】学生のオファー受信率 90%以上
【3】適性診断を無料で受けることが可能、その適性診断の結果をもとに、自己PRをさらに磨くことができます。

OfferBox以外のスカウトサービスも有用なので以下記事で紹介しておきますね。
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②深堀り質問に備える
ガクチカが完璧になったとしても、面接対策としてはまだ不十分です。
面接官からの深堀り質問に回答ができて、やっと面接対策が十分だと言えます。


詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
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就活のリアルな情報を手に入れたいという方に
まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事では400字でガクチカをESに書く方法を紹介しました。
最後にポイントをまとめておきます。
絶対守ってほしいコト
- 9割以上書く(字数制限厳守)
- 思考と行動をメインに書く
- 「動機」「熱量」「再現性」があるエピソードを書く
上手く書くコツ
- 強みを軸に書く
- STARの観点でストーリー構成
- 過不足を添削する
更に魅力的にするコツ
- 「目標」「現状」「課題」を明確に
- オリジナリティある表現
- 感情を盛り込む
- 修飾語は最低限に
- 「である」「だ」調で書く
- 面接を見越して書く
最後まで読んでいただきありがとうございました。