就職活動のESや面接で一度は聞かれる「学生時代に力を入れた経験」、いわゆる「ガクチカ」。
このガクチカにおいて、「アルバイトで売上を向上させた」経験をアピールしたい人向けの記事です。
筆者も長年、採用担当として数千人の学生と面接してきましたが、「売上向上」のガクチカを履き違えている学生はめちゃくちゃ多いと感じています・・・
本記事では、正しい「売上向上」ガクチカの構成方法や、ES・面接時に注意したいことを徹底解説します。
本記事の信憑性
- 筆者は現役の大手企業の新卒採用責任者
- 3年間で1,000名を超える学生との面談・面接を経験
- 専門は新卒採用戦略企画(2,000名参加の企業向けフォーラムで採用戦略が紹介される)
目次
そもそもガクチカになり得る経験
面接官はガクチカを通して「人柄」や「能力」を確認しています。
新卒採用では学生に特別なスキル・知識を求めていません。
新卒採用では職場にフィットしそうか?仕事への適正がありそうか?という『ポテンシャル』を重視しているのです。
ガクチカを通して確認している『ポテンシャル』とはズバリ以下の3点になります。
面接官が注目している点
- モチベーションが高まる要因
- どの程度の熱量を持っているか
- 仕事でも再現性があるのか

①モチベーションが高まる要因
面接官はガクチカを通して、どんなキッカケでモチベーションが高まる人なのか確認しています。
特にあなたのガクチカと仕事内容を照らし合わせて、仕事でも同じようにモチベーションが上がりそうか確認しています。
そのため、あなたが志望する企業の仕事内容をイメージし、ガクチカと同じようにモチベーション高く取り組めることを伝える必要があります。

②どの程度の熱量を持っているか
面接官はあなたが仕事に対して、どの程度の熱量を注げるのかガクチカを通して評価しています。
自分の中では「頑張った」と言えることでも、他人から見ると大したことないと評価されてしまう可能性もあります。
あなたの努力量を証明するためにも、具体的な行動量や思考プロセスを伝えることを心がけましょう。

③仕事でも再現性があるのか
最後に、ガクチカで発揮されている人柄や能力が仕事において再現性があるか確認しています。
あなたが発揮した人柄や能力がエピソードの中だけでなく、職場でも発揮されるのか面接官は注目しています。
そのため、学生ノリだけで解決できないある程度難易度の高いガクチカを用いた方がベターだと言えます。

売上向上のガクチカでの注意事項
面接官は売上向上のガクチカに対して以下のような印象を抱きやすいので注意が必要です。



これらのハードルを突破できなければ売上向上のガクチカで選考突破は難しいと言えます。
それぞれについて詳しく解説しますね。
ありきたりなガクチカ
アルバイト先の売上向上をテーマにしたガクチカは非常に多いです。
ありきたりなガクチカだからNGというわけではありませんが、面接官に関心を持ってもらうためには工夫が必要になります。
売上向上のガクチカで勝負するなら、ネットに転がっているようなテンプレではなく、以下のような観点を織り込んで差別化しましょう。
- 圧倒的な行動量
- 徹底的な定量分析
- 斬新な施策遂行

本当に売上向上したのか?
後述で詳しく触れますが、売上向上ガクチカの大半は売上向上していません(笑)
取ってつけたように「売上向上した」と結論づけているだけで、「売上向上」させる論理的な選択がなされていないからです。
もう少し言及すると、「売上向上」は「客数向上」「客単価向上」のどちらかでしか成し得ません。
そのどちらかにコミットした経験が説明できないようであれば、それは「売上向上」のガクチカではありません。
にもかかわらず、顧客満足度や従業員同士の一体化といったエピソードを持ち出し、無理やり売上向上に結びつけるガクチカが非常に多く見られます。
ガクチカで語られるエピソードは本当に「売上向上」を目的としたものだったのか見つめ直しましょう。

バイトの立場で売上向上?
一般的にアルバイトは売上管理する立場にはありません。
その権利もなければ義務もないです。
なぜあなたが売上を気にする必要があったのか、きちんと説明できるように準備しておきましょう。
特に、何がモチベーションの源泉になって責任範疇外の売上にまでコミットしたのかは、あなたの採用理由にも直結するので、しっかりと言語化しておきましょう。
ただし、「店長の人柄」といった他人にモチベーションを委ねる発言はやめましょうね・・面接官は店長がどんな人か知らないので。

売上向上のガクチカでは「客数」「客単価」に言及すべし
「売上」とは「客数」×「客単価」という公式で成り立っています。
つまり、「客数」か「客単価」が増加しないことには売上が向上することはありえません。
にも関わらず、「お客様への接客を改善」「従業員同士の協力」といった売上向上に間接的な施策をアピールする学生が非常に多いです。
確かに以下のように売上向上につながる可能性はありますが、因果関係が弱いですね。本当にそうなるの?って疑念は拭えないでしょう・・・
- 接客改善→満足度向上→注文増加?
- 従業員の協力→効率化→回転率Up?

売上向上のガクチカを構成する場合は、「客数」「客単価」のどちらにコミットしたのか明確に伝え、以下のようにそれぞれに直接的に働きかける施策を説明するべきです。
- 客数:集客改善・客滞在時間制限 etc
- 客単価:商品単価見直し・セット販売 etc

売上向上のガクチカでアピールしやすい力
ガクチカではアピールしたい長所を伝えることも重要です。
そのため、ガクチカを構成する際はアピールしたい長所をどうガクチカに織り込むか意識しておくべきでしょう。
以下3つの切り口で長所を探すと良いです。
能力の切り口
- 対課題力:仕事を処理するスピード、仕事のクオリティに関係する能力
- 対自分力:自分の行動や思考をコントロールする際に必要となる能力
- 対人力:人とのコミュニケーション能力
以下の記事を参考にあなたにフィットする強みを探してください。
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参考自己PRでアピールできる24個の強み一覧【評価される強み大公開】
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対課題力:「 試行力」
売上を増加させるために、あの手この手を検討する「試行力」は面接などにおいてアピールしやすい力と言えます。
実際のビジネスの現場でも、売上を上げる方法は一通りではありません。
最適解を見出すためには試行回数がものを言います。
あなたが売上増加のために、どれだけの手数を検討できたのか示すことで、就職後も様々な観点から課題に向き合える人材であることをアピールできます。
他にも、施策を徹底的にやり抜く「推進力」や、目標売上額から逆算して施策を選定する「計画力」などもアピールしやすい能力であると言えるでしょう。
対自分力:「決断力」
前述の通り、売上を増加させる手段は無数に存在します。
その中から、実施する施策を選択する「決断力」は非常にアピールしやすい力です。
ビジネスには「答え」が存在しません。
"やってみなければわからない"が当たり前の世界なので、決め切る力は非常に重要になります。
周囲の意見に耳を傾けることも重要ですが、あれもこれもと総花的になってしまうようでは中途半端な成果しか収められません。
何を基準に売上増加のための施策を取捨選択したのか、そのプロセスをしっかり伝えられれば「決断力」が備わった人材と評価されやすいです。
他にも、売上増加するまで粘り強く課題に向き合った「持続力」や、状況に応じて臨機応変に立ち回った「フットワークの軽さ」もアピールしやすい力です。
対人力:「 統率力」
売上を増加させる施策を思いついたとしても、周囲の人を動かせなければ、その効果は限定的になります。
周囲を巻き込み、大きなスケールで施策を遂行する「統率力」もアピールしやすい力と言えるでしょう。
就職後も、一人で完遂できるような仕事はありません。
社内外の関係者と協力をとりつけ、あなた主体で案件をドライブさせる力が重要になります。
あなたが考えた施策に対して、周囲を賛同させるためにどのようなコミュニケーションを図ったのか、そのプロセスを説明することで周囲を巻き込める人材であることをアピールできます。
他にも、周囲のメンバーの意見を集約する「傾聴力」や、検討した施策をアルバイト先の店長などに効果的に伝える「説得力」もアピールしやすい力と言えるでしょう。
あなたの強みをカンタンに見つける方法
強みを確認したい方は無料の適性検査を受けましょう。
適性検査を受ければ、「自分の強みがわからない」と悩むことはなくなります。
勿論、引き続き自己分析を継続する必要はありますが、自分の強みを正しく把握していれば、ES・面接で堂々とアピールできるようになります。
その点、適性検査はデータに裏付けられた客観的な強みを教えてくれるので、自分の強みを正しく・効率的に見つけることができます。
過去数十万人の受検データから客観的なあなたの特徴を定量的に示してくれるので、


といった疑念を払拭してくれます。
適性検査受検には20分ほど時間がかかり面倒臭いですが、一度受験しておけば就活で遠回りすることもなくなるはず。
まだ受検してない人はさっさと受検しておきましょう。

自己分析用の適性検査は「キミスカ」一択
自分の新たな強みを発見したいという方は、正直キミスカの適性検査さえ受ければ良いです。
キミスカの適性検査は「強み」や「弱み」は勿論、「ストレス耐性」「価値観」「性格」など10項目も診断してくれるハイクオリティな適性検査です。
また、検査結果からあなたの「ビジネス戦闘力」を測定してくれるので、今のあなたがビジネスでどの程度通用するのか、ズバリ教えてくれます。
更に、診断結果から「人物像」や「適性職種」をフィードバックしてくれるのですが、このコメントを面接官に見てもらえばOKなレベルで超絶わかりやすいです・・・笑
適性検査を受験して得られること
- 「強み」「弱み」が細かく診断
- 自己分析が難しい観点も診断
- ビジネス戦闘力という独自診断
- 超絶わかりやすい人物像診断
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【関連記事】キミスカの特徴・評判を現役人事部が解説(就活生による評価まとめ)
売上向上のガクチカの構成
どんなテーマのガクチカであっても構成次第で「受かるガクチカ」にも「落ちるガクチカ」にもなります。
これまで2,000名を超える就活生と面接してきた筆者の視点があなたのガクチカに更に磨きをかける5つのポイントを紹介します。
詳しくは以下の記事を参考にしてくださいね。
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平凡なガクチカでも選考を突破できる構成方法(採用担当が解説)
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売上向上のガクチカの例文
ではここで売上向上のガクチカ例を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
例文
私が学生生活を通して最も頑張ったことはアルバイト先であるカフェで売上向上のため尽力したことです。
当店は好立地にある繁盛店なのですが、座席の少なさ・顧客滞在時間の長さから回転率が悪く、機会損失を多く生み出し、売上が停滞していることが課題になっていました。
私は就職前に、ビジネスにおける最重要指標である「売上」について学びたいと思い、店長に打診してこの問題解決を一任してもらいました。
売上停滞の要因は明らかだったのですが、滞在時間制限を設ける等により回転率を上げると、カフェが提供する「居心地の良さ」という価値を毀損し、長期的には売上低迷を招くと判断しました。
そこで、回転率を上げるのではなく顧客単価を上げるべく、①セットメニューの増加②追加ホイップ等のオプションメニューを導入しました。
既存メニューの価格を据え置きつつ、即座に実現可能であったことが決め手となりました。
また、メニュー考案だけでなく、認知獲得のためのポップ作成、従業員による案内のトークスクリプト作成まで、徹底して準備しました。
その甲斐あって、平均顧客単価は前年比約30円増加し、店舗全体の売上を5%向上させることができました。
エントリーシートでは字数制限を設けられることが多いので、以下記事を参考に上手くまとめてください。
400字のガクチカで受かるESを書くコツ(現役採用担当が解説)
200字のガクチカで受かるESを書くコツ(現役採用担当が解説)
ガクチカ完成後にやるべき2つのこと


ガクチカを作ったらやるべきコト
- スカウトサービスに登録してガクチカが通用するか試そう
- 面接官からの深堀り質問に備えよう

①スカウトサービスでガクチカが通用するか試す
選考を受ける前に、スカウトサービスを活用してガクチカが「企業に評価されるか」を確認することをオススメします。
ガクチカを完成させても、面接官に思い通りに評価されるか不安ですよね。
実際、『完璧なガクチカ』だと思っていても、企業視点では『いまいちだな・・・』と感じられることは多いです。
そこで、スカウトサービスにガクチカを登録しておいて企業担当者からスカウト貰えるか試すことをオススメします。
メモ
スカウトサービスとは、登録されたガクチカを見た企業の採用担当から特別選考のスカウトが送られるサービスです。
また、登録するガクチカは何度でも編集できるので、”どんなガクチカがウケるのか”を試行錯誤できるのも魅力的です。
なんと言っても、”数多くの企業の採用担当にガクチカを見てもらえる”というのは最大のメリットと言えるでしょう。
もし、スカウトを獲得できれば儲けモノ、獲得できなくても改善の余地があるということを選考前に発見できるのです。
ちなみにガクチカを試すのであれば、OfferBoxが一番オススメです。
OfferBoxがオススメな理由
【1】利用企業9,000社以上と国内最大級
【2】学生のオファー受信率 90%以上
【3】適性診断を無料で受けることが可能、その適性診断の結果をもとに、自己PRをさらに磨くことができます。

OfferBox以外のスカウトサービスも有用なので以下記事で紹介しておきますね。
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採用担当によるスカウトサービス徹底比較【キミスカ・OfferBox・dodaキャンパス】
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②深堀り質問に備える
ガクチカが完璧になったとしても、面接対策としてはまだ不十分です。
面接官からの深堀り質問に回答ができて、やっと面接対策が十分だと言えます。


詳しくは、以下の記事を参考にして下さい。
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【必見】面接官にエピソードを深堀された時に上手く答えるコツ
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まとめ
以上、いかがでしたでしょうか?
本記事では売上向上のガクチカを魅力的にする方法を紹介しました。
本記事で紹介した就活レベルアップポイントを以下にまとめておきます。
就活レベルアップポイント
- 売上=客数×客単価を徹底意識!
- 売上向上のガクチカでは差別化必須!
- アピールできる能力は多いガクチカ!
最後になりますが、就活では確固たる強みを見出して伝えることが何よりも重要です。
以下を参考にあなたの就活レベルを更にアップしてください。
強みを見つけるサービス